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マネー敗戦 (文春新書)



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マネー敗戦 (文春新書)
マネー敗戦 (文春新書)

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読むのが辛い一冊

自分のことをだめだだめだと思っていたら、本当は嫉妬深い友達によって罠にはめられていたという本。もしこの本が真実で国の無策のために不況が深刻になり(不況になるのは神の為せる業で仕方がないが、深刻になるのは人の為せる業だと思う)、年間何万人もの人が倒産や一家離散の憂き目にあっているのかと思うと、胸が痛くなる。
裏と表

本来、表裏一体とものとして対になるべき円とドル、黒字と赤字、日本とアメリカ、
輸出と輸入といったものが、なぜ気付かぬうちにひずんでいたのかを解明した
本だと思います。

内容は筋道たって説明され大いに説得力もありますが、「強い円」を基盤とした
オールアジアの通貨圏である円圏構築をめざすべきという結論には、少し
違和感をもちました。
(岩井俊二監督のスワロウテイルという映画の退廃的風景ををなぜか思い出しましたが)

バブルの発生と失われた10年については、この本で述べられるアメリカの通商中心
主義から金融へのシフトとか、その当時の日本の金融行政以外にも、政治状況、
国防、マスコミ、外交のあり方など、より多面的に総括されるべきと思います。
それなりに

吉川さんは金融にそれほど詳しくないだろう。
細部にところどころ怪しげな記述がある。

しかしこの本は大局的によくできていると思う。
実物経済から間接的に派生するはずであった
シンボル経済、金融経済が
実物経済をはるかに越えて
とんでもないインパクトを持ち始めた。
この金融の分野で大きく出遅れたことが
日本にとって痛恨の結果となったことがよく分かる。
これは非常に重要なてんで、
細部が間違っていてもこの点は大いに光っている。

事実、固定為替相場制であったときから、
既に為替の先物市場創設に動き出していたアメリカと、
円の急騰の下で政府高官が
「円高円高って言うが、いつまでたっても
1ドル500円にならないのはなぜだ」
と時代を把握できてさえいなかった日本との違いが
今の現状の理由となっているのだ。

この点を鋭く指摘した本書はすばらしい。
今解明される日本マネー敗戦の事実

日本は再度敗戦を迎えた。現在の日本の荒涼たる姿はマネー敗戦の結果なのだ。そんな現状を明確に説明してくれる必読の一冊。世界最大の債権国でありながら、国内経済は逼塞し、未だ見えない底を目指して落下途中の日本。全てがアメリカのマネー戦略によるものではないが、日本のマネー無策を思い知らされる。アメリカの周到な分析と計画の前に、あまりにもノーテンキだった日本。
ただし、筆者の意図は、けっして反アメリカ思想を高揚させることでも、日本の為政者を徒に責め立てることでも無い筈だ。過去の過ちを冷静に分析し、日本の再起を願う気持ちがこの本の底流にある。読者である私も言いたい、「頑張れ日本!」。
少し欲求不満に

 平成不況の表の顔は「バブル崩壊」。しかし、裏の顔は「マネー敗戦」というのがこの本の主張だ。
 筆者は、「日本の通貨戦略が無策だったために、米国の為替操作で円マネーが米国の巨額の赤字補填に充てられてしまった」ことを、資金の動きなどデータで論証していく。その論証自体は参考になる。

 しかし、「なぜ、米国のマネー戦略に日本が従わざるを得なかったのか」の論証は、この著書では展開されていない。「政治の問題は別のところで」ということなのだろうが、読者は肝心の理由が置き去りにされてしまい、欲求不満に陥りそうだ。

 また、結論部分で「日本は円経済圏を作るべきだった」の主張は、逆に政治論に近い。このアンバランスさが著書全体の印象を弱めているのは惜しい。
 それの前提はあるものの、新視点での平成不況の解明本として、日本経済を真剣に考える人にとっては、読んでおいて損はない本だと思う。
 



文藝春秋
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